NEW MUSIC WEEKLY HOT 20 (6月第2週)
NEW MUSIC WEEKLY HOT 20 (6月第2週)
チャート詳細についてはこちらを参照。
・ヨルシカやあいみょんが上昇
シングル「裸の心」のCDがリリースされたほか、そのMusic Stationでの披露が相まってあいみょんが2位に順位を上げた。とくにDLでの伸び率が高く、浮動層もしっかりひきつけている証拠である。
ヨルシカは、新曲「春ひさぎ」が前回より順位を上げ、「花に亡霊」の次にとってつけた。他、ボカロ出身アーティストが2位のあいみょんを除き、1位~7位までをほぼ独占している。
また、TikTokで楽曲に合わせたダンスが話題となっているAAAメンバーShuta Sueyoshi「HACK」が宇多田ヒカル「Time」に次いで8位となっている。
Novelbrightはついこの前にリリースされたアルバムから「夢花火」が今週初チャートインを果たした。
NEW MUSIC WEEKLY HOT 20 (6月第1週)
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・混戦に突入
チャートアクションが目まぐるしく回っている。まずYOASOBI、髭男の離脱(集計期間が上限に達した)によりyamaの「春を告げる」が初の1位を獲得。YOASOBIは「ハルジオン」が6位→3位、「あの夢をなぞって」が11位→7位に躍進している。
ヨルシカは新曲「春ひさぎ」を16位に送り込み、またニューアルバムリリースの発表などもあり「花に亡霊」が4位に順位を上げている。宇多田ヒカルは「誰にも言わない」が「Time」と入れ替わる形で5位に順位をあげた。
ベストアルバムリリースの延期を決定したSEKAI NO OWARIは新曲「umbrella」がDLでポイントを稼ぎ初登場6位を飾っている。ほかにも「Mrs.GREEN APPLE」の新曲が今週20位で初のチャートインとなった。
NEW MUSIC WEEKLY HOT 20 (5月第4週)
NEW MUSIC WEEKLY HOT 20 (5月第4週)
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・TikTok発のアーティストが大躍進。
今年4月に初登場を果たしたYOASOBIや瑛人を筆頭に、TikTok発のヒット曲がチャートの上位を占めてきている。海外では2019年にLil Nas Xの「Old Town Road」がTikTokで大盛況を巻き起こし結果的に世界中のチャートを席巻するなど、TikTokなどのSNSで話題となった楽曲がチャートアクションに影響を与える例が見られていた。そしてここにきて日本でも同じようなムーブメントが現れたと考えられる。
今週のTOP20でも、うち少なくとも8曲がTikTokでの大反響の影響を受けており、この動きは今後さらに活発化すると思われる。
・ボカロ勢の躍進と初チャートイン
YOASIBIやyamaが徐々に順位を上げてきている。前者は数週間前にリリースされた「ハルジオン」や、第2弾シングル「あの夢をなぞって」が週ごとにストリーミングで多くの再生回数を集め順位を上げてきている。また後者の「春を告げる」は、今週の1,2位がそろってチャートイン上限の8週目を迎えていることから、次回チャートでは念願の1位に達することが見込まれる。
29日リリースの宇多田ヒカルのシングル「誰にも言わない」が3日間のみの集計でありながら10位に位置付けている。今後「Time」とともにどのようなチャートアクションを見せていくかが見どころ。
また、今週は藤井風と共に注目される新人Vaundyの1stアルバム「Strobo」がリリースされ、計2曲をチャートに送り込んでいる。その他には、気鋭ラッパー・韻マンの「Chane My Life」がTikTokなどで話題を集め、今週初チャートインを果たしている。
NEW MUSIC WEEKLY HOT 20 (5月第3週)
NEW MUSIC WEEKLY HOT 20 (5月第3週)
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2020年度5月第3週からの集計方法の仕様変更について
・Youtube動画再生回数集計中止
新型コロナウイルス拡大による全国的な自粛要請に伴い、この間リリースされた新曲にはMVの撮影を行うことができず、結果その公開の中止を余儀なくされた楽曲が多々見られた。このようなことから、本チャートでは前回の週間成績の集計以降、Youtubeでの動画再生回数のカウントを中断することにした。
・チャートイン10週に達した楽曲の集計対象外化
本チャートでは、これまで原則リリースから2か月以内の楽曲を集計の対象としてきたが、昨今のTikTokから発信され大ヒットにつながった楽曲の多くがリリースからある程度の期間を経てのヒットであったことから、リリース時期による集計対象範囲を取り除くこととした。そこで本来のチャートのポリシー「新曲を優先的にピックアップすること」に従い、最初のチャートインから計10週のチャートインを経た楽曲に関しては集計対象から外すというあらたな原則を設けることとした。
・DL数のポイント換算比の変更
以前までは、7日間の集計期間内にリリースされた楽曲のポイントの稼ぎ方は主に初動型のDLと浮動層に即効性のあるYoutube動画であったが、上記の通り後者の集計を取り除いたので、代わりに1DL=50 Pt.の換算比を1DL=70 Pt.にまで引き上げることとした。
・TikTok発のヒット曲が顕在化
まず今週は様々な変更を経てチャートの様相がガラッと変わったことが一目でわかる。TOP2にはストリーミングで圧倒的な成績を博しているネット出身ユニット・YOASOBIのデビュー曲「夜に駆ける」、ギターソロ・瑛人の「香水」が入った。前者は去年の暮れからSpotifyのバイラルチャート(楽曲のシェア数やストリーミング数などでその人気上昇をランキング化したもの)で1位に居座り続けており、4月の緊急事態宣言下でじわじわとチャートを上り詰めてきた。後者はTikTokで爆発的人気を誇り、BillBoardJapanストリーミングチャートではチャートインからたった3週ほどで髭男を抜いて1位まで駆け上っている。
他にも10位のyama「春を告げる」もTikTok発のヒット曲であり、今後このような楽曲のヒットの仕方がますます増えていくと考えられる。
・トップ層の熱戦
前回チャートで初の1位を獲得した宇多田ヒカル「Time」は今週は若干ストリーミング再生数を落とし、髭男「パラボラ」に僅差で銅メダルを明け渡すも、1万近いDL数を稼ぎ、4、5位のあいみょん「裸の心」平井堅「怪物さん feat.あいみょん」には500Pt.ほどの差をつけている。宇多田ヒカルは今週金曜日に2020年第2弾シングル「誰にも言わない」のリリースを控えており、それが両曲のチャートアクションにどのような影響をもたらすのかが見どころである。
あいみょんのドラマ主題歌「裸の心」は、TikTokでのキャンペーンを通して安定した高い成績を残しており、今後の再生回数の変動に注目が集まる。平井堅「怪物さん feat.あいみょん」は当週で9週目を迎えており、おそらく再来週のチャートで集計対象外となる見込み。
・藤井風デビューアルバムが話題
Youtube発の21歳気鋭のミュージシャン藤井風が自身初となるアルバム「HELP EVER HURT NEVER」を先週水曜日にリリースした。去年のデビュー曲「何なんw」の頃から注目を集めており、当週はアルバムから計3曲がチャートインしている。アルバム内容に関しては後日別の記事を上げようと考えている。
NEW MUSIC WEEKLY HOT 20 (5月第2週)
NEW MUSIC WEEKLY HOT 20 (5月第2週)
集計対象:2020年3月9日以降リリースの楽曲
チャート詳細についてはこちらを参照。
①今週のニューリリース
5位 Love so sweet : Reborn 嵐
過去のシングル楽曲をリプロダクションする企画「Reborn」の第4弾。今回は某ドラマの主題歌として大ヒットした2007年リリースの"Love so sweet"のrebornバージョンだ。
前3作同様現代風のEDMを基軸としたサウンドを取り入れながらも、原曲の爽やかでキラキラした雰囲気はしっかりと残されている。
週末の集計だけで3万超のDL数を集めており、その固定ファンの多さがうかがえる。
ARASHI - Love so sweet : Reborn [Official Lyric Video]
6位 星影のエール GReeeeN
NHK連続ドラマ小説「エール」の主題歌。GReeeeNの2020年リリース第1弾となっている。
朝ドラ主題歌とだけあって、優しいボーカルと聴き心地の良いサウンドとメロディが引き立っており、前世代に愛されるようなナンバーに仕上がっている。
初週は3万DLを記録し僅差で上記の嵐の新曲を抑え1位となった。
GReeeeN - 「星影のエール」リリックビデオ Full Ver.(コード譜つき)NHK 連続テレビ小説「エール」主題歌
7位 ハルジオン YOASOBI
デビューシングル「夜に駆ける」が記録的大ヒット中のボカロ出身ユニットYOASOBIの3rdシングル。
ピアノサウンドと軽快なメロディーが印象的なナンバーとなっている。1番サビの後に同じAメロが繰り返されず、大サビへのブリッジに入るところが新鮮だ。
「夜に駆ける」との相乗効果でストリーミングをはじめとして急激に人気を上昇させている。
昨今のアルバム市場
激動の世紀末に最盛期を迎えその後急激に縮小へと向かった日本のCD市場は、10年代後半の着うたダウンロード隆盛、そして昨今のストリーミング市場の拡大のなかでも依然としてその存在感を発している。それが特に顕著に出るのがアルバム市場である。
CDアルバムは年間765万枚を売り上げた宇多田ヒカルのデビューアルバム発売年の1999年以降その生産枚数、生産額ともに急降下している。そして2012年を最後に100万枚売上すなわち"ミリオン"の輩出も途切れている。しかしこのままプラットフォームがCDから別のものに移行していくのかというとそうはならなかった。
まず2000年後半に端を発したアルバムのダウンロード市場はとても小さい。日本レコード協会の有料配信認定によると、これまでに10万DLを突破した作品は歴代で15作しかない。また近年音楽聴取手段の主流となりつつあるプラットフォームにストリーミングサービスがあるが、これに関してはいくつか特筆すべきことがある。まずこのサービスが日本で使われ始めたのは主に2016、17年前後からだということだ。その当時はほとんどの大物アーティストが音源解禁を行っていなかった。現在は一部を除くほとんどのアーティストの作品がストリーミングサービスで公開されているが、ついこの前まではやはりアルバム市場におけるストリーミングサービスの占める割合はCDに比べると圧倒的に小さかっただろう。
しかしながらやはりストリーミングサービスの普及は着々と進んでいる。2018年ブレイクのあいみょん、翌年ブレイクのOfficial髭男dismはいずれもストリーミングで最もその人気が顕著に表れている。19年2月発売のあいみょんのオリジナルアルバムのCD売上は初週6万枚と低水準であったが、ストリーミングサービスでの人気は抜群であった。同年11月リリースの髭男のアルバムもCD売上でこそ初週8万枚売上にとどまったがほとんどのアルバム曲をストリーミングチャートの上位に送り込んでいる。
目下の新型コロナ騒動の中でCD一強のアルバム市場が一転しつつあるのも事実だ。緊急事態宣言などによる外出自粛の影響でCDアルバム売上枚数は激減している。また多くのメジャーレコード会社は自社のアルバムCDの発売日を延期している。対照的にこのコロナ禍のマイナスの影響を受けていないストリーミングでは、外出自粛中の人々が家での楽しみ方としてサービスに加入する例をはじめとした様々な要因で現在その市場が急拡大しているようだ。数か月前と比べてSpotifyの上位200曲の再生回数は日に日に増加している。
一度は衰退しつつも常にアルバムの購入手段として第一にあったCDはついにストリーミングという新たなプラットフォームにとって代わられようとしている。その中でプレイリストなど自分の好きなように曲を集めて聴くことができるという新たな音楽聴取スタイルが今後アルバムの概念にどのような影響をもたらすのかも考察しつつ今後も一音楽ファンとしてその動向を見守っていきたいとおもう。
最後に髭男の最新アルバムから筆者が特に好きな一曲を紹介する。
NEW MUSIC WEEKLY HOT 20 (5月第1週)
NEW MUSIC WEEKLY HOT 20 (5月第1週)
集計対象:2020年3月2日以降リリースの楽曲
チャート詳細についてはこちらを参照。
①今週のニューリリース
3位 Time 宇多田ヒカル
1年3か月ぶりの新曲となる。日テレ日曜ドラマ「美食探偵 明智五郎」の主題歌として書き下ろされた。
初期楽曲を彷彿とさせるシンセサウンドと独特なリズム配置が魅力的なR&Bナンバー。後半のヴァースではHIPHOP的なフロウとバックのトラップビートで楽曲の洗練度が一気に増すしている。
週末の集計期間だけでストリーミング、DLともにトップクラスの成績を収めている。
宇多田ヒカル 『Time』Official Audio(Short Version)
15位 PRESENT (Japanese ver.) Mrs. GREEN APPLE
先月のEnglish ver.に続いてリリースされた、ミセスの2020年第2弾シングル。
ボーカル大森のハイトーンボイスが心地良いアップテンポナンバーとなっている。洋楽的なサウンド構成でありながらこれまでのミセスの特徴的な要素も引き継がれている。
MVは公開3日目で50万再生回数を突破した。
Mrs. GREEN APPLE – PRESENT (Japanese ver.)
②注目ソング
13位 灯火 Vaundy
5月27日に発売される自身初のフルアルバムのリード曲として先行配信された。FODオリジナルドラマ「東京ラブストーリー」の主題歌に抜擢されている。
アコースティックギターが颯爽と走る上をメロウなボーカルが漂うように乗せられており、これが後半に進むにつれて次第に高揚感を伴っていくという構成が見事その後に続くアルバム曲への期待感を高まらせている。
ストリーミングでの数字が特に目立っており、藤井風と共に新世代アーティストとしての期待が高まる。
灯火 / Vaundy :Official Audio(Short Version)