てんにっき

1人気ままにつぶやかん

近年のトップアルバム売上

 今年1月にリリースされたKing Gnuのオリジナルアルバム「CEREMONY」が発売15週目を迎えた。同アルバムはフラゲ日だけで12万強、初週累計約23万8千枚という、近年でもトップレベルの売り上げで初登場を迎えた。デジタルでは初週3万DL近くを記録し、これは2018年以降リリースのアルバムで2位の初週DL数となっている。(1位は 宇多田ヒカル「初恋」3万8千DL)2週目以降はゆったりとしたペースを保ち現在累計では38万枚に達しており、今後の盛り上がり次第では45万、50万枚まで伸びていく可能性がある。

 同アルバムに関して一点特筆すべきは、本作品がCDリリースと同時にストリーミング解禁がなされていたことである。近年のトップアルバムの多くはCDとストリーミングでのリリースをずらすことでCD売上枚数の確保を図ろうとしてきた。ストリーミングを解禁しながらも30万枚以上のCD売上を達成しているのは現在同作と髭男の「Traveler」のみである。

 現在日本の音楽業界ではCDシングルが次第に姿を消しつつあるが、アルバムに関しては依然としてCD形態での発売が一般的となっている。下の表では2018年以降リリースの、15週目時点で25万枚以上の売上を記録したアルバムの売上推移を示している。

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宇多田ヒカル 「初恋」 2018年5月リリース 

復帰作で合算ミリオンを達成した前作「Fantome」以来2年ぶりのアルバム。初日8万枚から週末で売上を伸ばし、初週20万枚に到達(前作は25万枚)。前作同様一形態のみでの発売となり、楽曲が聴かれることを最優先した売り出し方となっている。同アルバムはデジタルでは初週3万8千DLという好成績を記録している。先日の日本レコード協会有料配信認定ではゴールド(10万DL)認定を獲得しており、歴代邦楽アルバムでは13作目となっている。(自身では3作目)。

Mr.Children 「重力と呼吸」 2018年10月リリース

初週35万枚、累計70万枚近くを記録した前作「REFLECTION」以来3年ぶりのリリース。宇多田ヒカルと同じく一形態のみでのリリース。初週で30万枚もの売り上げを記録し、モンスターバンドとしての依然とした人気ぶりを示している。また、初日売り上げは15万枚にも達しており、固定ファン数の多さもうかがえる。なお、デジタルでの同時解禁は無し。

星野源 「POP VIRUS」 2018年12月リリース

2016,7年に大ヒットした「恋」が収録されたアルバム。前作「YELLOW DANCER」(2015)から3年ぶりのリリース。こちらも初日で16万枚を売り上げており、その注目度もトップクラスである。初週累計は27.8万枚と、近年ではミスチルに次ぐ初週売り上げを記録。また、デジタルの初週売上は2.5万DL。今後の盛り上がり方次第でゴールド認定(10万DL)の獲得も近いと思われる。

ONE OK ROCK 「Eye of the Storm」 2019年2月リリース

前作「Ambitions」以来2年ぶりとなるアルバム。初週売上は前作(23万枚)より少しばかり落としたが、ストリーミング解禁が同時になされていたので人気や注目度といった点で依然として高いレベルにあるといえる。デジタルでは初週2.9万DLの好成績を記録。2週目以降もゆるやかな売上をキープし、累計では30万枚に近い数字を残している。

・back number 「MAGIC」 2019年4月リリース

2015年の「シャンデリア」以来3年ぶりのリリース。初週売上16万枚から緩やかに推移し、13週目まで毎週2000万枚以上を保っており、数字を大きく落とすことなく累計では大台の30万枚に到達している。デジタルでは初週1.6万DLを記録。

Official髭男dism 「Traveler」 2019年11月リリース

初週8万枚と他トップアルバムと比べて低い売上で初登場を迎えるが、その後毎週1万枚前後を漂う好成績を残し続け15週目で25万枚に迫る。30週目を迎え発売から半年経った現在は30万枚を突破しており、宇多田ヒカル「Fantome」(2016)や米津玄師「BOOTLEG」(2017)に匹敵するロングヒットとなっている。この先どこまで売上を伸ばしていくかが見どころである。